8月1日(土)第三十九回鶴川落語会 らくご@鶴川 遊雀・萬橘二人会ですが、
東京都の新型コロナウイルス感染拡大のため、感染防止の観点から開催を延期いたします。
楽しみにされていたお客さまには謹んでお詫び申し上げます。
4月の白酒・一之輔に続いての開催見送りで、力及ばず申し訳ございません。
緊急事態宣言解除後、会場の和光大学ポプリホール鶴川のスタッフの皆さまと協議を重ね、
何とか開催できそうだと決定した6月末より、開催に向けて準備を進めてまいりました。
お客さまにもお席のご移動、チケット代金のお振込等、ご協力をお願いしておりました。
しかし、今の東京都の状況での開催は、皆さまに安心して落語をお楽しみいただくことが難しいとの判断になりました。
遊雀・萬橘両師と相談し、延期日程を以下に決定いたしました。
2021年(来年)7月10日(土)
13時30分開演
払戻、または延期日程への振替対応を行います。
鶴川落語会からチケットを購入、ご予約いただいたお客さまには、個別にご連絡いたしましたので、ご確認ください。
イープラスで購入されたお客さまには、イープラスより後日連絡が行きますので、対応をお願いいたします。
少し延期決定に関して、書かせてください。
7月に入ってから少しずつ東京都の感染者数が増え、日々開催すべきか、止めるべきかで揺れていました。
毎日の感染者数に振り回されてはいけない、大切なことは感染予防の最新情報で、安全に開催するための情報だと、頭ではわかっていましたが、不安でした。会を開催するということは、お客さまやスタッフ、出演者の時間を鶴川落語会に使っていただくことであり、参加者全員で場を共有するということです。主催者は、新型コロナウイルスは未知のウイルスだからわからなかったでは済まない立場で、責任があります。自分の思いだけで開催に踏み切ってはいけないと思っていました。
そんな中、新宿の劇場で開催された演劇でクラスターが発生しました。皆様も報道等ですでにご存知のことかと思います。
会場の規模、催しの内容、舞台に上がる演者の数、開催期間の長さ、ざっと情報を集めただけでも、当会で開催する落語会との共通点は「お客さまを集めて生で開催するイベント」という点のみでしたが、その点がとても引っ掛かり、報道を追っておりました。
日が経つにつれ、感染者が演者や関係者だけでなく、観客の方たちにも広がりを見せており、濃厚接触者の人数が相当数に膨れ上がることがわかってきました。
どのように開催し、どんな感染予防を実施されたのか、対策に落ち度はあったのか、なかったのか、詳細を知って対策を検討し直す必要があると思いましたが、情報が錯綜しており、どの情報が真実なのか間違っているのか、全く選別できない状況でした。と同時に、会を開催する立場として、他人事とは思えない恐ろしさも感じるようになっていました。
鶴川落語会は安全に開催できるのか、今開催することの意味はあるのか、当会としてできることはあるのか、とてもとても考えました。会場の和光大学ポプリホール鶴川は通常でも全席300席のそう大きくないホールです。その300席を、半分以下の109席まで減らして、お客さまにも間を空けて座っていただくためにご移動もお願いしました。ホールの建物は新しく、ビル管理法による換気の設備もあり、主催者がしっかり感染予防対策をしていれば大丈夫なのではないかとも思いました。
そんな中、毎日の東京都の感染者数が100名を超え、200名をも超えるようになってきました。市中感染が広がりつつあるという専門家の意見を聞き、感染予防を徹底してもリスクは上がる一方なのではという思いが強くなりました。そう大きくないホールとはいえ、100名を超えるお客さま全員に安心して楽しんでいただけるだろうか、安全に帰っていただくことができるだろうか、と考えるようになりました。
鶴川落語会のお客さまは、ご高齢の方もたくさんお越しいただいております。その年齢層の方々から、
「最近は都内へ落語を聞きに行くのも体力的に大変なので、家の近くで聴けるのを楽しみにしている」という話をよく伺います。
そうしたお客さまに「安全です」と胸を張って言えるだろうか・・・。
そうした流れで、今回は延期を決めました。
科学的根拠やデータの検証といった冷静な判断というより、心理的不安を拭えないといった要素が強い判断です。
それに関しては、私自身納得のいく判断と堂々と言う事ができず、もやもやしたものを抱えたままであることは否めません。
新型コロナウイルスの感染予防対策がもっと検証され、主催者が対策すればある程度の安全が確保できるとなった段階で、たくさんのお客さまに集まっていただく会を開催できればと思っております。
もうしばらくの辛抱で済むのか、はたまた長い辛抱が必要なのか、現時点では全く先が見えませんが、会場で皆さまと笑い合える時を楽しみにしております。
鶴川落語会は先月NPO法人としての活動を開始いたしましたが、
「生の寄席演芸の面白さ、楽しさをお伝えしていく」という理念がございます。
緊急事態宣言発令の4、5月は、私も一観客として動画配信に救われました。ですが、緊急事態宣言解除後、多くはないですが生の会に足を運んでみて、「やっぱり落語は生がいい!」と実感しました。動画配信の良さや役目は確実にあり、鶴川落語会でも今後導入の可能性がないとは言えません。ですが、基本は会に足を運んでいただき、木戸銭を払っていただき、同じ空間を共有する皆さんと笑い合ったり涙したり、そんな場のお届けを諦めたくありません。
今後も二人会をベースとした会を提供して参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
最後にもう一つ。
当会は今回開催を断念しましたが、きっとたくさんの会が迷いながら開催の道を模索していると思います。
開催するも、中止するにも、それぞれの会がそれぞれの環境や置かれた状況の中で決めた事ですので、どうか見守って、そして宜ければ応援いただけたら幸甚でございます。
落ち着いたらまたくだらない席亭の日常を、このブログにアップできたらいいなと思っておりますので、お時間ございましたら時折覗いてください。
長々と失礼いたしました。
最後まで読んでくださった方には、御礼申し上げます。
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